ホームページ制作会社を変更する際に注意すべきポイント

クラウドサーカス編集部
公開日:2019/01/15 更新日:2022/09/09
ホームページ制作会社を変更する際に注意すべきポイント

規模の大小にかかわらず、多くの会社で自社のホームページを持つことが当たりまえになってきています。しかし、日本の企業の99%を占める中小企業には、社内にIT専門の部署や人材を持っていないところも多くあります。自社内でホームページの運用や管理を行えず、「ホームページ制作会社に任せっぱなし」になっているケースも多いのではないでしょうか。

そのような状況下で、管理を委託していたホームページ制作会社とうまくいかなくなったとき、考えるのはホームページ制作会社の変更です。今回の記事では、ホームページ制作会社の変更を検討する際に注意したいポイントをまとめました。後々のトラブルを防ぐためにも、これからホームページ制作会社と契約しようという方も、ぜひチェックしてみてください。

契約前が重要!制作費に含まれる項目を知る

ホームページ制作会社の変更を検討している企業がよく抱える課題とは、具体的にどのような内容でしょうか。

  • 更新や修正の対応が遅く、時間がかかる
  • 更新のたびに追加費用が請求される
  • 制作会社に任せていても思ったように集客できない
  • 担当者の訪問頻度やコミュニケーションに問題がある

実は、これらのトラブルの原因の多くは、契約時に交わした見積書や業務確認書、契約書などの内容の確認不足にあります。特に費用と対応内容については、注意したいポイント。新しいホームページ制作会社と契約を結ぶ際には、制作費に含まれている項目をよく確認するようにしてください。下記は、特に気をつけたい費用項目です。

【ホームページ制作費】
どこまでの作業が含まれるか、作成するページ数に制限がないか
【スマートフォン対応(レスポンシブ対応)費】
スマートフォンやタブレットへの対応が含まれているか
【デザイン費】
修正可能な回数や、提案するデザイン案の数はいくつか
【コンテンツ制作費】
ライティング費や写真撮影費が含まれるか、写真データをもらえるか
【ドメイン、サーバ関連費】
利用料や移行費が含まれているか、旧ドメインやサーバ解約時の違約金がかかるか
【更新費】
対応可能な頻度、含まれる作業内容はどこまでか
【SEO対策費】
具体的な作業内容、スケジュール、成果保証の有無を確認
【サポート、保守費】
サーバ管理、分析(レポート頻度)、集客(広告)、更新などどこまでの作業が対象か

基本的には、すべての費用項目に含まれる具体的な作業内容を確認し、見積書に明記してもらうことが大切です。何に注意していいかわからないときには、逆説的に「別途費用」となる項目を、詳しく聞き出すという方法もあります。追加費用が必要な作業を把握できれば、契約内容の見直しもしやすくなるでしょう。

見落としがちなドメイン、サーバ移行に注意

ホームページの制作から公開までをすべてホームページ制作会社に委託していた場合、ドメインやサーバの契約まで制作会社が請け負っており、自社のドメイン情報やサーバ情報を誰も知らない…という状況もあり得ます。

新しいホームページ制作会社に制作を依頼し、いざ公開となったとき「ドメイン、サーバの情報をください」と言われて、初めて誰も管理していないことに気づいたといったトラブルはよく聞きます。

ホームページ制作会社を変更するときに、社内のWeb担当者はドメイン、サーバのアカウント情報を管理しておかなければなりません。もし、解約を検討する時点でわからない場合は、解約までに以前の委託先にしっかり確認するようにしておきましょう。

【管理が必要なドメイン、サーバ情報】

  • ドメイン管理サービスのアカウント情報:現在利用しているメールアドレスやホームページに使われているドメインのユーザー名やパスワードなど。「お名前.com」「ムームードメイン」などが代表的
  • Webサーバのアカウント情報:ホームページのデータをアップしているサーバのアドレス、ユーザー名、パスワードなど
  • メールサーバのアカウント情報:メールを管理しているサーバ(SMTPサーバ、POP3サーバ)のユーザー名、パスワードなど
  • SSLサーバの証明書のアカウント情報:SSLは、ホームページとユーザーのやり取りを暗号化するためのしくみのこと。代表的な提供会社はGMOグローバルサイン、日本ジオトラストなど。契約時のユーザー名、パスワードなどを管理

さらに気をつけたいのが、前項にもあげた「サーバ移行費」や解約時の「違約金」です。ドメインやサーバ移行に関する作業は、ホームページ制作に慣れていない人には作業工程が想像しにくいため、見積費が適正かどうかわかりません。「サーバ移行費」が思いのほか高い場合には、作業の内訳をきちんと確認しましょう。

また、旧サーバの解約方法にも注意が必要です。一般的にサーバの契約は6カ月~1年単位で結ぶことが多いため、途中解約する場合には、「何カ月前までに申請しなければいけないか」「違約金がかかるか」などを調べておく必要があります。

所有権、著作権など権利関係をクリアに

所有権、著作権など権利関係をクリアに

最後に、忘れてはいけないのがホームページの所有権やコンテンツの著作権、データの再利用など、権利に関連する問題です。これまで運用していたホームページのデータを新しいホームページ制作会社に渡そうとしたときに、ホームページの所有権が制作会社になっている、ホームページのデータをもらえない(もしくは別途費用がかかる)、コンテンツの再利用ができない…などの問題が生じる場合があります。以下のようなポイントを事前にクリアにしておき、契約書にも明記しておくことが大切です。

  • ホームページの所有権・著作権が依頼主側にあること
  • コンテンツ(記事や写真)が他者の著作権を侵害していないこと
  • ホームページのデータを受け取る権利があること
  • ホームページ用に撮影した写真の元データを受け取り、再利用する権利があること
  • ホームページ用に作成した記事・文章を再利用する権利があること

※別途費用の場合は金額を確認する

まとめ

このように、ホームページ制作会社を変更するときには、いくつかの注意点がありますが、あらかじめ気をつけなければいけないポイントを知っていれば、難しいものではありません。

また、わからないことを訪ねたときに、丁寧に教えてくれるかどうかも、その制作会社とつき合い続けられるかの判断材料にもなるでしょう。問題が生じてからあわてないように、サイト立ち上げ時や、日々の運用のなかで、情報の整理を心がけておくことが大切ですね。