ホームページ制作会社の業者選定で抑えるべきポイント
公開日:2019/07/25 更新日:2022/09/09
初めてホームページ制作を発注しようとするときや、ホームページをリニューアルするとき、まずは何から取り組めばよいか迷うことも多いと思います。
実際「費用」や「制作会社の選定」はもちろん、その前にも社内で考えを固めておくべき項目は存在します。
そこで今回は、ホームページ制作にあたり事前に決めておくべきポイントや、知っておくべきポイントを一挙にまとめました。これから初めてリニューアルを進める担当者様はぜひ参考にしてください。
ホームページに求める役割・効果を明確にする
ホームページ制作を始めるにあたり、もっとも重要なのは、そのホームページを制作する「目的」です。会社案内、採用、ブランディング、拡販など、ホームページの目的はさまざまですが、そのサイトが担うビジネスのゴールを明確にすることでスムーズに制作が進められます。
実際、ホームページ制作の過程では迅速な判断が求められます。デザインを決めるとき、サイト構成を決めるとき、キーワードを決めるとき、コンテンツ内容を決めるとき…など、制作会社からは次々と提案や質問をされることでしょう。その際に、ホームページ制作の目的が曖昧では、そのたびに悩んだり、迷ったり、適切な判断ができずに修正を繰り返すことになりかねません。ホームページを最短かつ効果的に制作するためにも「目的」の明確化はとても重要です。
具体的には、特に次の2つの項目を明確にするようにしてください。
ホームページの目的(ゴール)はなにか
まずはじめに、ホームページを何に活用するのかを明確にしましょう。
- 集客(新規の顧客に商品を知ってもらう、もっと興味を持ってもらう)
- 会社概要(自社を知っている人にいい印象を与える、会社の信頼性を高める)
- 採用(自社サイトでの採用を促進する、学生の企業理解を深める)
など、ホームページによって目的は様々かと思います。この時に注意が必要なのは、欲張って1つのサイトに複数の目的を持たせてしまうと、サイト全体のテーマがブレてしまい、伝えたいメッセージが届けられない可能性があります。
また、可能であれば数値目標を立てられるとベストです。 『問い合わせを○件から○件にしたい』『商談を○件獲得したい』『引き合いからの受注件数を○件増やしたい』など、より目的に対して具体的な定量目標を立てられると良いでしょう。
ターゲットは誰か
ホームページの目的から、どういう人にホームページへ訪れてほしいのか、潜在顧客の人物像について考えます。「ペルソナ」という人物像を設定すると、社内でもターゲットのイメージが共有しやすくなり、ブレることが少なくなります。
参考:ターゲットユーザーからペルソナを作る重要性
ペルソナの解像度を上げるために、普段顧客と接している営業やCSも巻き込んで行く必要があります。ターゲットが明確であればあるほど、ホームページに必要なコンテンツも明確になるので、できる限り具体的に設定するようにしましょう。
ホームページ制作会社に提示する要件を「RFP(提案依頼書)」にまとめる
目的がはっきりしたら、次はRFPと言われる提案依頼書を作成してみましょう。
RFPとは、ホームページ制作会社やシステム開発会社に、制作の提案してもらう前に、発注する側が作る「提案依頼書」と言われる資料です。発注側が資料をまとめなければならないことに疑問を感じる方もいるかもしれませんが、Webサイトやシステム制作の要件は細部にわたるものです。
ホームページ制作の目的に沿った内容で、必要な機能や要件を決定します。
もし仮にRFPを作らずにあいまいな希望を口頭で伝え、見当違いな提案に時間を費やすことは、両者にとって非効率です。提案時の正確さや効率をあげるため、そしてプロジェクトが進行してからの行き違いを防ぐためにも、まず発注者側がRFP資料をまとめることは大切なのです。
また、RFPは、複数のホームページ制作会社に相見積もりを取る際にも役立ちます。同じ条件を明確に提示すれば、各社の提案や見積書の比較も容易です。
さらに、ホームページ制作やシステム導入にあたっての、社内の意思統一にも有効です。多くの方がご存じのように、IT技術のトレンドやできることは日々進化しており、ともすれば「あの機能もつけたい」「この機能もつけたい」となりがちです。プロジェクトの目的や必要な機能、予算をはっきりさせ、稟議を通したり、社内に情報共有をしたりするためにも、RFP資料は役立ちます。
RFPの項目例
例えばRFPには下記の項目が含まれます。
- ホームページ制作の目的
- 達成したい数値目標(KPI)
- 自社のセールスポイントと弱み
- 現行のサイトの課題
- ターゲット(ペルソナ設定)
- 納期
- 必要なシステム、機能要件
- 提出物(企画書、見積もり、構成案) など
このような項目でRFPを作成することで、制作会社への依頼内容が整理でき、社内での意識統一が可能です。また、制作会社への伝達事項の抜けや、認識のズレなども防ぐことができます。RFPは、インターネット上に参考サイトやテンプレートがありますので、自分が記入しやすいものを参考に、作成してみることをおすすめします。
ホームページ制作会社を比較・選定し依頼先を決める
ホームページ制作の目的や要件をまとめたら、いよいよ発注する制作会社を決めるフェーズに入ります。
ホームページ制作会社には「システムの構築に強い」「デザインが斬新」など各社に得意分野・不得意分野があります。RFPを制作してホームページの目的がクリアになっていれば、その目的に応じて業者の得意分野・不得意分野を基準に比較・検討できるので、選定がしやすくなるでしょう。
ここからは一般的なカテゴリ毎の制作会社の特徴をご紹介します。
一般的なホームページ制作会社のカテゴリと得意分野・不得意分野
まず、一般的なホームページ制作会社のカテゴリをまとめると下記の表のような分類になります。
カテゴリ | 向いているサイト | 得意分野 | 不得意分野 |
---|---|---|---|
システム会社 | ECサイト | 自社でシステム開発ができ、会員管理や決済機能に強い | デザイン、ユーザビリティ、導線設計が弱く、大手サイト向け |
デザイン会社 | ブランディングサイト | トレンドを意識したデザイン性の高いサイトや動きのあるサイトが得意 | 集客やKPI設定、システム構築に弱みがある |
企画会社 | 集客サイト | 導線設計に強い。キャンペーンやメディアミックスなどの企画もできる | 工程の一部が再委託の場合あり。納期と工数がかかり、金額が高いケースが多い |
個人事業主 (フリーランス) |
サイト立ち上げ | 金額が安く、比較的短納期でサイトを構築することが得意 | サポートまで個人で請け負いきれず、作るだけになることが多い |
ホームページ制作会社を選ぶとき、デザインの良さや費用の安さに目がいきがちですが、その他にも運用を踏まえた構築ができる会社や、戦略の提案が得意な会社など、検討するポイントは多岐に渡ります。あくまで、ホームページの目的に適した制作会社を選びましょう。
制作会社の選び方
それでは、ここからさらに詳しく制作会社の選び方を見ていきたいと思います。制作会社はタイプや特徴、実績などによって自社適切な会社を選ぶ必要があります。まずは選定の際に大前提として理解すべき制作費の内訳についてのお話をします。
制作費の内訳を理解する
ホームページの制作費は、自社が求めるクオリティや機能などの要件によって大きく変わります。他社では100万円で制作したと聞いていても、自社のやりたい要望によっては高くなることもありますし、安くなることもあり、一社一社で異なるのです。
そのため制作会社に見積依頼をする際には、あらかじめ「何がやりたいのか」を明確に伝え、同じ条件で依頼することが大切です。その際に先ほど決めた目的がや目標が非常に役立ちます。
その際、いくつかの制作会社に相談し、自社がやりたいことを実現するために必要な機能などアドバイスをもらうのも良いでしょう。ある程度の情報や知識を得たところで必要な機能を整理し、感触の良かった制作会社に同じ条件で見積依頼をすると、比較がしやすくなります。
また、「まるごとプラン」といった内訳が不明な制作会社でも、「この機能は要らないけど、値引きできないか?」など、交渉することも可能になります。
いずれにしても、依頼する側も何にいくらかかるかを事前に理解しておくことが大切です。無駄なコストがないかをチェックし、自社に適正なホームページを制作しましょう。
合わせて読みたい:ホームページ制作の相場は?項目別の相場一覧
会社の成り立ちから制作会社を選ぶ
ホームページ制作会社は、その会社の成り立ちからいくつのタイプにわけられます。それぞれのメリット・デメリットを含めて、特徴を詳しく紹介します。
印刷系のホームページ制作会社の特徴
雑誌やカタログ、会社案内パンプレットといった印刷物の制作会社から派生したホームページ制作会社(部門)です。印刷業界の市場縮小が進むなか、印刷物とあわせてホームページの制作も行うなどサービスの一環や業務拡大を目指して立ち上げたところが多くみられます。
Webが普及する前からデザインに携わってきた会社ですから、デザイン力は抜群。オリジナル性のあるデザインを求めている方には、適しているでしょう。また、会社案内の印刷物を制作する際、同じ内容のホームページを制作したいという方にとっても、一緒に依頼することで制作期間やコストの低減も期待できます。
一方で、Webからの受注を増やしたいといったマーケティング施策やSEO、データベースの制作など、デザイン以外の要素については、各社のノウハウや技術力に大きな差があります。また、公開後のサポート対応が手薄なところもみられます。ホームページでビジネスを拡大したいと考えている方は、各社の実績もしっかり見極める必要があるでしょう。
システム系のホームページ制作会社の特徴
データベースやソフトウエアの開発、基幹システムやネットワークの構築など、システムの設計・開発を手掛ける会社にも、ホームページの制作を手掛けるところがあります。
画面上には現れないバックグラウンドのしくみづくりを得意とする会社ですから、ECサイトのような決済システムが必要なホームページ、個人情報を多く扱う会員サイト、人事や売上管理など基幹システムと連携したホームページなどを求める方にはピッタリ。制作会社の担当者がヒアリングしたうえで、必要な機能を備えたホームページを提案してくれるでしょう。
システム系のホームページ制作会社は裏側に強いですが、デザインについては目新しさのない、ありきたりなビジュアルになる場合も。会社によっては、デザイン制作会社に外注するところもあります。社内にデザインの制作担当部門があるか確認することも必要でしょう。
広告代理店系のホームページ制作会社の特徴
新聞やテレビ、雑誌など各メディアで広告を扱う代理店もホームページ制作に深くかかわっています。ホームページも広告の一つです。それぞれのメディアの特性にあわせたプロモーションの提案や、他メディアと一緒にクロスメディアマーケティングを行うことも可能でしょう。
広告代理店系のホームページ制作会社はマーケティングに強みを持っていることが大きな特徴です。集客や問い合わせ件数の増加など、Webを活用した施策の提案を望む方には適した会社といえます。
ただし、自社内にホームページ制作部門を持っているところは少数派。多くの会社はデザイン制作会社に外注しています。そのため、デザインやプログラミングの知識を必要とするシステムなど、マーケティング以外については専門外という会社も。自社内にWeb専門部隊があるかという点が、会社選びのカギといえます。
映像系のホームページ制作会社の特徴
高速インターネット回線の普及にともない、動画専門サイト、ポータルサイトやSNS上の動画広告など、Webでも動画に接する機会が増えています。こうした背景から、映像制作会社にもホームページの制作を手掛けるところが多くなっているようです。
会社案内などPR動画の制作はもちろん、ホームページでの動画配信や他メディアと連動したWebコンテンツ制作も含め、ワンストップで提供する会社もあります。
とはいえ、専門は映像制作。クオリティの高い映像は作れても、デザインやマーケティングなどを含めたホームページのクオリティまで高い会社は限られてきます。Webと動画を活用して、どのような施策を展開するとどんな効果が期待できるかといったノウハウを持っている会社を選ぶことが大切です。
独立系のホームページ制作会社
マーケティングリサーチ会社やコンサルティング会社などでWebに携わっていた人が独立し、ホームページ制作専門の会社を設立したところも多くなっています。
こうした独立系のホームページ制作会社の場合、SEOやユーザビリティーに関する知識やノウハウが豊富で、アクセス数や問い合わせ件数を増やすキーワード選定から、アクセス解析や月次レポートなどのアフターサポートまで、Webに関するあらゆるサービスを提供してくれる点が特徴です。
一方で、各社に実力の差が大きいため会社選びは慎重に行いたいところ。独立系の制作会社といっても、営業から制作まで一人で対応するフリーランスもいれば、ディレクター、デザイナー、システム開発など専門スタッフが多く在籍している大企業もあります。制作はもちろん、公開後のサポートも含めしっかり対応してくれそうなところを選ぶことが重要なポイントといえそうです。
実績やサービスから制作会社を選ぶ
ホームページ制作会社には、ある特定の業種や分野に特化している制作会社や、サポート体制がしっかりしている会社といった特徴があるところもあります。
こうした点から制作会社を選ぶことも、会社選びで失敗しないポイントの一つといえます。
特定の業種に強いホームページ制作会社を選ぶメリット
特定の業種に特化しているホームページ制作会社では、Webに関する知識はもちろん、その業界特有の慣習や専門知識などを熟知したうえで的確な提案を受けられる点が大きなメリットです。
自社の業種の実績が多い会社へ依頼することで、やり取りもスムーズになりますし、集客や販売促進など、より目的を達成しやすいホームページの構築が期待できます。
サポートが充実しているホームページ制作会社を選ぶメリット
ホームページを初めて制作する会社の場合、公開後のサポートもしっかりしているところを選ぶのがおすすめです。
制作会社によっては、アクセス解析のレポート提出だけでなく、それをもとに施策の提案などコンサルティングサービスを提供しているところもあります。
なお、サポートサービスの内容によっては別途料金が生じるところがあります。サポート費が制作コストに含まれている場合でも、どこまでサポート対応してくれるか事前に確認するようにしましょう。
自社に適したホームページ制作会社を選ぼう!
ホームページ制作会社は、その成り立ちや実績などから各社の特徴を把握することができます。
とはいえ、なかにはデザインセンスが一昔前の印刷系ホームページ制作会社もあれば、優れたデザインを制作できるシステム系ホームページ制作会社があるのも事実です。
最終的には、制作会社のホームページに掲載されている強みや制作実績などをよく確認したうえで、自社の要望に応えられそうなところを選ぶことが大切です。
発注者の協力も不可欠なホームページ制作
「業者選定が終わり、いざ発注!あとは完成を待つのみ!」・・・とはなりません。構築フェーズも制作会社に丸投げをせずに、発注者も一緒にホームページを作って行く必要があります。
制作を丸投げした結果、「ホームページを開設したものの、問い合わせがほとんどない」といった依頼者からの悩みもよく聞きます。高い費用をかけて制作したのに「こんなはずでは…」と後悔しないためにも、発注者側が最低限関わっておきたいポイントをご紹介します。
そもそもホームページ制作会社丸投げしてはいけない理由
ホームページを制作するには、HTMLやCSSなどの専門知識やデザインスキルが最低限必要です。このため、「餅は餅屋」でその道のプロに任せようと考えている方も多いかと思います。
しかし、ホームページの中身(コンテンツ)については、自社の強み、商品やサービスの情報、ターゲットや集客方法など「自社の人でなければわからない内容」も多く含みます。
ホームページ制作会社は、ホームページの外側をつくるプロではありますが、内側(自社の情報)に精通しているプロではありません。
SEOなど集客を得意とするホームページ制作会社やコンテンツ提案を強みとしている業者であっても、お問い合わせなどの最終的な目的(コンバージョン)へつなげるには、依頼者の積極的な協力なくしては実現できないのです。
ホームページの制作は「注文住宅を建てる」のに似ています。 内覧だけで決める建売りの分譲住宅ではなく、注文住宅は、自分たちの希望や理想、抱えている課題などを建築士や設計士と相談しながら、間取りや必要な設備・機能の備わった家を一緒につくっていきます。
ホームページの制作も、制作会社任せの建売り分譲住宅では、自社の理想とは程遠いものになるでしょう。自社の希望や課題解決法などについて制作会社と打ち合わせを重ねながら、必要なコンテンツを一緒につくっていく注文住宅のようなホームページの方が、効果は期待できます。
特に中小企業の場合は、社長や決裁権のある方も積極的に協力してもらいましょう。ホームページは営業ツールのひとつですから、経営戦略を立てる方の目線が加わることで、より戦略的なホームページが完成します。
依頼者が積極的に協力したいポイント
では、ホームページの依頼者は、具体的にどのような点で協力すればよいのでしょうか。以下に、ポイントをまとめました。
製品・サービス情報の整理
自社の製品やサービスの内容を、いちばん理解しているのは自社の人間です。 ホームページで紹介する商材をリストアップし、特長や価格、スペックなど、ユーザーに伝えたい情報をまとめておきましょう。
製品を紹介する場合には、画像も用意します。ホームページ制作会社で撮影対応をしてくれるところもありますが、外注のカメラマンに依頼するケースが大半ですから、自社で撮影したほうがコストダウンにつながります。
必要なコンテンツの精査
制作会社に任せきりだと、競合と同じコンテンツしか提案されないなど、他社の二番煎じのようなホームページになる可能性があります。これでは、競合に勝てません。
自社でも競合分析を行い、必要なコンテンツを検討してみましょう。
例えば、自社の実績を紹介するコンテンツを考える場合、単に取引先の社名を並べるだけでなく、ユーザーアンケートをもとにした「お客様の声」や、ユーザーの悩みにどう対処したかを紹介する「ソリューション事例」など、効果が期待できそうな見せ方を考えてホームページ制作会社へ相談してみましょう。
専門性の高い文章
ホームページで競合比較しているユーザーは、「この会社の強みは何か」という観点も会社選びのポイントにしています。
例えば自社の強みが「技術力」であれば、それを具体的に紹介する説明が必要です。その文章は、ホームページ制作会社が書けるものではありません。
専門知識を持った自社の人間が書くことで、エンドユーザーからの信頼や共感を得やすくなり、「この会社に依頼しよう」と受注も期待できます。
最近は「コンテンツマーケティング」のひとつとして、ブログ記事が流行していますが、他者の書いた文章は見る人が見れば説得力に欠けます。専門性や自社の強みをアピールできる自社の人間が書いてこそ、成功する手法なのです。
またSEOの観点からも、信頼性、権威性、専門性は非常に重要なファクターなので、本当にユーザーが欲しい情報をできる限りわかりやすく表現しましょう。
よくある制作会社の営業トーク
最後に、ホームページ制作会社を選ぶ際に役立つ、よくある営業トークをご紹介いたします。
世の中には、たくさんのホームページ制作会社があるので、どこの会社も自社のサービスや実績がよく見られるようにアピールするのは当然です。しかし、似たようなセールストークをなんとなく聞いているだけでは、本当に信頼できるホームページ制作会社を見つけることはできません。本記事の最後に、制作会社がよく使うセールストーク例と、その会話から、よい制作会社を見抜くコツをお教えします。
「売り上げがアップします!」
このような売り文句をホームページのキャッチコピーにしている会社は多いと思います。
もし、このようなセールストークをする制作会社が、ECサイトを専門に作る会社であれば、「ECサイトを作ると、これまでより売り上げがアップする」という説明は、なんとなく理解ができます。しかし、一般的な企業のコーポレートサイトやサービスサイトの場合、ホームページが「売り上げアップ」という成果にたどりつくまでには、いくつかのステップがあります。「ホームページを作れば、売り上げが上がる」とは、単純には言い切れないはずです。
たとえば、BtoBの企業であれば、ホームページが売り上げにつながるまでには、下記のようなフローが考えられます。
ホームページ制作が売り上げ増加につながるまでのステップ(例)
ホームページ自体を見直す(わかりやすい導線、離脱を防ぐコンテンツなど)
↓
ホームページへの集客数を増やす(SEO施策、広告施策など)
↓
集客したユーザーからの問い合わせ数を増やす(情報の更新、問い合わせにつなげるコンテンツを用意するなど)
↓
獲得した問い合わせからの商談数を増やす(メールマーケティングなど、潜在顧客を育てる施策)
↓
商談からの受注数・売り上げアップ(営業の施策)
このような各ステップで、それぞれの目的にあった施策を行うことで、ホームページは「売り上げ」につながっていきます。そのため、発注者はホームページが「売り上げ」という成果を出すまでには、ある程度時間がかかることも頭に入れておかなければなりません。
もし、検討しているホームページ制作会社が、「ホームページを作って、売り上げアップ!」のようなキャッチコピーを使っている場合は「どのようにして、売り上げをアップさせるのか」、その手順を具体的に説明してもらうといいでしょう。インターネット広告や、Webマーケティングの知識があり、総合的に対応できる会社であれば、各ステップそれぞれの「課題にあった施策」をきちんと説明してくれるはずです。
「○○に課題はありませんか?」
「SEOに課題はありませんか?」
「モバイル対応が遅れていませんか?」
「常時SSL対応はお済みですか?」
ホームページ制作会社が、このようなホームページに関わる汎用的な課題を問いかけてくることはよくあります。これらのWeb全般に関わる問題は、多くの人に当てはまる課題であり、その解決を提案することは決して悪いことではありません。
しかし本来、ホームページ制作の目的は発注者によってさまざまです。サイトが抱える課題をきちんと分析すれば、そのサイトごとに打つべき施策は変わってきます。丁寧な対応のできるホームページ制作会社であれば、発注者の予算や目的、課題を確認したうえで、それぞれにあった提案をしてくれるはずです。
このような場合、発注者自身も、自社がホームページまわりで感じている課題を整理し、優先順位をつけておくことも必要です。予算や課題をホームページ制作会社に伝えた際に、汎用的な施策の押し付けではなく、自社にあったプランを考えて提案してくれるかどうかは、よいホームページ制作会社を選ぶ判断材料になります。
「SEOが得意です!」
SEO対策を得意とする会社も非常に多く、どこに頼めばいいのか非常に迷うところです。
検索エンジン対策は、技術や情報のアップデートが速いため、まずは過去の実績などを参考に、新しい事例をたくさん持っているかどうかを確認することが大切です。
また、最近ではかなり減少しましたが、業者によっては、検索サイトのペナルティ対象となる、低品質な被リンクを大量に集める方法で検索サイト内の順位を上げる方法をとっている場合があります。そのほかにも、特定キーワードでの上位表示が保証されても、自そのキーワードが自社のコンバージョンにつながるかどうか、きちんと分析されていないという恐れもあります。
このため、SEO対策を外注する際には、どのような手順でキーワードを選定し、どのような方法で上位にあげるのかをきちんと確認することが重要です。また「成果報酬型」などの料金体系をとっている場合もあるため、費用範囲内でどこまでの成果を保証しているのか、明確な説明を受けることも大切です。
「サポートもお任せください!」
「ホームページは、作ってからが本番」といわれるように、サイトオープン後の運用の体制を整えておくことはとても大切です。
そのため、ホームページがオープンしたあとのトラブルや更新にどのように対応してくれるかも、ホームページ制作会社を選ぶにあたって重要なポイントになります。
これらの見極めは、発注前の段階でも「問い合わせに対してすばやく回答してもらえるか」などから、その制作会社の体制をある程度予測することができます。また、個人事業主や小規模な会社では、人員が少なく、サポートまで手が回らない場合もあるため、具体的なサポート体制を確認しておくことが必要です。
また一般的に、コンテンツの更新作業は別料金になることが多いため、更新費用がいくらくらいかかるのかを確認しておきましょう。SEOや広告などの施策を追加する可能性がある場合は、それらのプランニングをしてもらえるかどうかも聞いておくとよいでしょう。
まとめ
ホームページ制作会社の選定方法についてお伝えしてきました。ホームページは企業の投資の中でも高額なものに分類されることが多く、何の知識もなく業者に依頼してしまうと後々後悔することも。
まずはホームページの目的や目標を明確にし、それに対し何にどのくらいコストをかけ、どういった制作会社に依頼すべきなのかを理解しましょう。そこから業者選定を行い、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。
その際に、本記事の内容が参考になれば幸いです。
※ウェブタメでは制作会社とのマッチングサービス(無料)も行なっています。
詳細はこちらから↓↓
ウェブタメ!