コーポレートサイトに必要なコンテンツとは

クラウドサーカス編集部
公開日:2019/01/23 更新日:2022/09/09
コーポレートサイトに必要なコンテンツとは

コーポレートサイトは、見えないお客さまに自社のイメージを印象づける「会社の顔」です。

はじめてのお客さまとの商談前、新たな取引先を探すとき、業界研究など、ビジネスのあらゆるシーンで、コーポレートサイトから企業の情報を得ることは当たり前になってきています。多くの企業サイトがあふれるなか、自社のホームページに訪れるユーザーに過不足のない情報を与え、他社との比較でよりよい印象を与えるためには、どのようなコンテンツが必要でしょうか。

今回の記事では、コーポレートサイトに不可欠な基本情報と、会社の特長やカラーを表現し、他社と差をつけるためにプラスしたいコンテンツについてまとめました。企業サイトをはじめて作るときや、リニューアルする際に、ぜひ参考にしてみてください。

コーポレートサイトは単なる「名刺代わり」ではない

企業のホームページは、従来、紙で配っていた会社案内パンフレットのWeb版のような位置づけで、会社の基本情報やサービス概要を説明する役割を担っていました。すでに多くの企業サイトで定番化していますが、まずはコーポレートサイトに必要な基本の要素をおさらいしておきましょう。

【コーポレートサイトの基本のコンテンツ例】

  • 会社概要(会社名、代表者の名前、所在地、資本金、設立、事業概要)
  • サービス・商品の説明
  • お問い合わせ先
  • 採用情報
  • IR情報
  • ニュース・最新情報

これらの基本情報は、コーポレートサイトのコンテンツとしては一般的なものばかりですが、かならず正式な表現で掲載することに注意が必要です。たとえば、(株)などの略字表記は避けます。名前の漢字の誤りや、サービス名などの固有名詞の正式表記にも注意が必要です。会社の封筒、名刺、パンフレットなど公式な印刷物との表現の統一にも留意しましょう。

一方で、近年ではビジネスブログなどを活用し、会社概要の枠を超え、自社の考え方や商品の周辺情報などを積極的に発信する企業サイトが増えてきました。これは、コーポレートサイトが単なる名刺がわりではなく、企業イメージのブランディングや商品の受注、マーケティング活動に直結するようになってきたことが影響します。

近年の消費者行動の変化を表した有名なマーケティング理論「AIDMAからAISASへ」という言葉をごぞんじでしょうか。「AIDMA」はAttention(認知)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)という、消費者が購入にいたるまでの従来のプロセスを表しています。

「AISAS」は、Attention(認知)、Interest(関心)に続く行動として「Search(検索)」が入り、Actionのあとに「Share(共有)」が追加された現代の消費行動のプロセスです。

AISAS

つまり、今の時代はAction(購買や問い合わせなど)の前に、インターネットで調べることが普通になっており、ビジネスサイトでも「検索で上位に表示されること」「より多くのユーザーに見てもらうこと」「サイト内の情報でActionを後押しすること」が、重視されるようになっているのです。

会社の魅力を伝える+αのコンテンツ例

では、現代のWebマーケティング手法を活かし、なおかつ企業の魅力を表現するにためには、どんなコンテンツが合うでしょうか。企業サイトにふさわしいコンテンツは、ホームページが重視したい「目的」や「ターゲット」によって異なりますが、代表的な例としては、下記のようなものがあります。

【コーポレートサイトの+αのコンテンツ例】

代表者メッセージ

企業理念や経営者の考え方が表れる代表者メッセージは、新規取引の相手や、採用候補者などに「どんな考えをもった会社か」を発信します。社長の想いをインタビューしたうえで、プロのライターに執筆してもらう方法もあります。

強み・差別化を表すページ

BtoB企業は、社名や事業内容を多くのユーザーに知られていないケースが大半です。コーポレートサイトでは自社の事業内容や特徴、強み(競合との差別化要素)などをわかりやすく伝えることで、認知度の向上につながります。「○○が選ばれる理由」「数字で見る○○」「身近なところにある○○」(○○は社名)など、自社のアピールポイントをまとめたコンテンツを設けましょう。

社員紹介

会社の個性や雰囲気を表現するのに適したコンテンツです。社員が生き生きと働く様子は、企業のブランディングに効果的。採用を主な目的としたサイトでは、先輩社員がどのように働いているかを紹介するコンテンツとして多くのサイトで取り入れられています。

実績・導入事例

商品・サービスを具体的にイメージしやすく、他社と比較検討しているユーザーに有効なコンテンツです。事例が増えれば、記事を追加していけるため、更新しやすいコンテンツともいえます。

外部評価・お客さまの声

お客さまの成功事例や体験談、感謝の声は、商品・サービスの価値を高め、企業の信頼を増す役割をします。対応の早さや営業マンの人柄など、商品紹介記事だけでは伝わらない、自社のよいところをお客さまに挙げてもらえる場合もあります。

沿革・企業ヒストリー

歴史の長い企業や、現在のサービスにつながる大きな転換点のある企業におすすめです。支店開設や社名変更など単純な会社の履歴ではなく、受賞歴、ターニングポイントとなった販売数・ユーザー数の達成時期、重要な局面でどんな選択をしてきたかなど、企業の「物語」が伝わる内容は読者の興味を引きつけます。

プロジェクトストーリー

代表的な商品・サービスの開発に至る想いや背景、試行錯誤のエピソードなどをまとめたオリジナルコンテンツ。開発者の人間味のある苦労や背景を知ることで、商品・サービスにより興味や愛着をもっていただく効果があります。

ソリューションコンテンツ

自社のターゲット層が抱える課題や悩みを列挙し、「解決手段はこちら」と、商品・サービスの詳細ページへ誘導を促すコンテンツです。課題や悩みのキーワードからの流入も期待できます。

商品・サービスに関連するオリジナル記事・ブログ

商品・サービスを直接訴求する以外にも、業界情報や最新ニュースなど「ユーザーが気になる情報」「ユーザーの役に立つ情報」をオリジナルの記事として掲載していきます。更新性が高く、SEO対策として自然検索からのアクセスを集める方法としても有効です。

このように、コーポレートサイトをより魅力的にみせるコンテンツには、さまざまな種類があります。しかし、「他社がやっているから取り入れよう」という安易な発想で採用するのは危険です。ホームページは、作ってからが本番。運用にかかわる人員や更新のスケジュール、目標数値(KPI)などを事前にシミュレーションしておかなければ、運用が滞り、かえってイメージを低下させてしまう恐れもあります。

また、ホームページの目的によって、優先すべきコンテンツやサイトの構造、導線も変わります。サイトの目的を明確にし、信頼できるホームページ制作会社にしっかり意図を伝えながら、コンテンツを設計することが大切です。

コンテンツ作りに必要なこと

魅力的なコンテンツのアイデアが出てきたら、ページごとに具体的な内容を詰めていく作業に入ります。その際、「どんな情報を掲載するか」とネタ探しに悩む方も少なくないようです。情報の探し方について、いくつかヒントを紹介しましょう。

現場の社員にヒアリングする

各部門の現場で活躍する社員に、コーポレートサイトに掲載できる情報がないかヒアリングしてみましょう。現場の社員の体験談が導入事例や実績、プロジェクトストーリーなど、そのままコンテンツになるでしょうし、ヒアリングした内容から自社の強みを再認識できることだってあるでしょう。

顧客に取材する

お客さまへアンケートや取材の協力をしてもらい、外部評価(お客さまの声)のコンテンツを制作します。お客さまからいただく感想は、自社の商品・サービスを第三者目線で評価される貴重な機会です。取材を通して、それまで認識していなかった自社の強みがわかるかもしれませんし、今後の展望なども聞けるでしょう。

競合他社のサイトを見る

自社と似た商品やサービスを扱う競合サイトで、どのような情報を公開しているかを調べるのも一手です。その際の注意点として、商材は同じでもビジネスの規模や戦略などが異なれば、コーポレートサイトに掲載する情報も異なってきます。あくまで参考として確認しましょう。

取引先や他業種のサイトを見る

競合サイトに魅力的な情報が少なければ、取引先や顧客のWebサイトや、畑違いのサイトを見ることで思わぬヒントが得られるかもしれません。ユーザーの目線で、どんな情報や見せ方に魅力を感じたかをメモしていき、自社サイトに使えそうなものがあれば応用してみましょう。

プロの力も借りて、時代にあったコーポレートサイトに!

近頃では、WordPressなどを使用することで「ホームページを作る」ハードルは、非常に低くなりました。しかし、BtoB企業、BtoC企業いずれにとってもWebマーケティングが重要な役割を果たす時代のなかで、自社のリソースだけでコーポレートサイトを制作することは、思わぬチャンスロスにもつながります。ホームページ制作会社やSEO会社、デザイナー、ライターなど、専門知識を持つプロをうまく使うことが、Webマーケティングの力を最大限に生かした、成功するコーポレートサイトを制作するカギです。

コーポレートサイトは、他社のさまざまなサンプルが多いのもよいところ。いろいろなサイトを参考にしながら、自社がめざすコーポレートサイトの目的をクリアにし、頼れる制作会社と一緒にコンテンツを吟味していきましょう。