【保存版】CMSの概要と種類を1から解説!無料から有料まで比較のポイントもまとめました

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Web制作ツールを選ぶ際に、更新性や機能性を考慮してCMSの導入を検討される方も多いのではないでしょうか。CMSといえば「WordPress」が定番ですが、そのほかにも多種多様な種類が存在します。

今回はCMSの概要からメリットデメリット、代表的なCMSの種類とその特徴までを一挙に紹介します。検討の際に役立つ比較ポイントやセキュリティについてもまとめましたので、CMSの理解を深めていただければと思います。

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それでは本編をどうぞ!

CMSとは

what'sCMS

CMS(Contents Management System)とは、HTMLやCSSなどの専門的知識がなくても更新が可能なシステムの総称です。Webサイト構築後にコンテンツの追加や修正といった更新作業がWeb運用の初心者でも容易にできるため、リアルタイムに情報を反映したい企業などに適しています。

こうしたニーズは年々増えており、WEB制作の依頼段階でCMSの導入を前提とした要件依頼を提出されるケースも珍しくなく、またWeb制作会社も何かしらのCMSを提案することが多くなっています。

代表的なCMSとして、オープンソース(無料)の「WordPress」がよく知られていますが、そのほかにもさまざまな種類のCMSがリリースされており、ホームページの目的や、運営者の運営体制によって使いやすいものを比較・選定する必要があります。

比較の際には機能面やセキュリティ、サポートなどの要素も必ずチェックしましょう。

CMSの代表的な機能

CMSは機能も値段もさまざまです。高機能なものもあれば、シンプルで使いやすさを重視したものもあります。ここで、CMSの代表的な機能について紹介しましょう。

どのカテゴリにどのページがあるかなど、コンテンツの管理が容易になるのもCMSを導入するメリットの一つです。ページごとに管理画面から、設定等を変更することが可能で、ほとんどのCMSについている機能です。

CMS導入を導入するもう一つのメリットが更新性です。種類によっては公開画面と同じような画面から、ワードやエクセルを扱う感覚で直接編集できるものも存在します。

ページのテンプレートが用意されているCMSもあり、それを複製することでコンテンツを増やせるため、デザインやコーディングの時間を大幅に削減できます。種類によっては、Webの知識がなくてもテンプレートを容易に変更できるものもあります。

CMSの種類にもよりますが、会員ページを作成できるものもあります。

Webサイトからの情報発信を強化する際に、ブログ機能がついたCMSを選択すると非常に便利です。企業サイトをメディア化し、SEOやファンづくりに役立ちます。

CMSであれば、プレスリリースなどのニュース配信も気軽に行えます。種類にもよりますが、RSSを作成し配信できる機能が標準でついているものも増えています。Webの知識がない総務やIR担当者でも、リアルタイムに企業のお知らせを発信できます。

公開したい日時をあらかじめ設定できるCMSであれば、公開タイミングに手を動かせなくても、自動で更新されます。

サイトマップにはhtml型のサイトマップと、Googleに送信するためのxml型のサイトマップが含まれますが、どちらもCMSの機能の中に含まれているか、カスタマイズで設置が可能です。

タイトルタグやディスクリプションの管理はもちろん、先述のsitemap.xmlの送信などもCMSから行うことが可能です。SEOにおいてもっとも大切なのはコンテンツではありますが、機能面でマイナス評価を受けないことも大切です。

CMSの種類にもよりますが、カスタマイズによりWebサイトに検索機能をつけることができます。

モバイルファーストインデックスの影響もあり、標準でレスポンシブ対応になっているCMSの種類も多くなっています。スマホ対応はSEOに影響を及ぼす要件の一つですから、必ず確認をするようにしましょう。

記事を書いてそのままSNSにシェアするケースも増えているかと思います。その際には、SNSと自動連携する機能がついたCMSだと、非常に便利です。

CMSの種類によっては、データベース機能もついています。商品数の多い企業サイトなどで、使い勝手の良いWebサイトを構築できます。

標準、もしくはカスタマイズで決済機能がついたCMSもあります。Webサイトから直販をしたい企業には、とても便利な機能です。

ユーザーからの問い合わせを受けるフォームが、標準で設定できるCMSも増えています。CMSの種類によって、設定できるフォーマットはさまざまです。

GoogleAnalyticsによるアクセス解析以外にも、独自でアクセス解析機能をつけているCMSもあります。

高機能なCMSには、簡易的なA/Bテストが実施できるツールもあります。

日本語、英語、中国語など、言語切り替えができるCMSもあります。SEOの観点からも適切な形での対応が必要ですが、取り急ぎであればまったく問題はありません。

ユーザー管理ができることもCMSのメリット。種類によっては承認フローを設けて編集や公開などの権限を作業者へ付与することも可能です。更新が多部署にまたがる場合にはとても便利な機能でしょう。

お問い合わせのリストからメール送信ができるCMSもあります。MA(マーケティングオートメーション)ツール機能がカスタマイズできるCMSを使えば、サイト閲覧のログから新規顧客開拓も期待できます。

レコメンド機能とは、ユーザーが過去のチェックした商品や関連商品などを表示させる機能です。ユーザーの行動履歴をもとに、購入動機を促進や追加購入につなげることもできます。高機能なCMSについていることが多いです。

ページ内への動画の埋め込みが容易にできる機能です。ソースコードでも行えますが、より容易に動画を埋め込めるCMSもあります。


これらはほんの一部の機能ですが、CMSの種類によっては実装していない場合もあります。

こういったCMSの機能を使うことにより、Webのリテラシーがそれほど高くない人でも自社サイトの運用が可能になります。特にページの編集や新規作成など、頻繁に作業が発生する場合にはこれらの機能が非常に役に立ちます。

CMSの導入がおすすめなケース

Webサイトの運用が、誰でも簡単に行えるのがCMSの特徴です。Webを勉強する時間が割けない企業にはCMSをお勧めします。0からWebの技術を覚えていくことも大切ですが、Webの知識を付けることに膨大な時間がかかり、肝心のコンテンツ作りに時間が割けなくなっては本末転倒です。

更新作業など運用において支障のない程度の知識と技術を身につける方が、効率良くWebサイトを育てていけるでしょう。(もちろん、どんどんスキルアップしていっていただくのは大賛成です)

更新のたびに業者へ依頼して、その都度費用を支払っているケースも、CMSの導入によってコストを削減できるかもしれません。業者に連絡してから反映されるまでのタイムラグもなくせ、リアルタイムに更新ができるようになります。

また、Webサイトの更新担当者が複数いる際も、CMSがあると便利です。アカウントによって公開の権限や、更新できるページを分けることも可能で、誤って編集したり、ページを消したりといったリスクを回避できます。


よほどのことがない限り、自社で更新していく場合にはCMSの導入をお勧めします。自社の状況と照らし合わせて、検討してください。

CMS導入のメリットとデメリット

CMSを導入する際には、メリットだけでなくデメリットも理解しておく必要があります。当然CMSの種類によっても異なる部分はあるのですが、一般的なメリットとデメリットをここで紹介します。

導入のメリット

CMS導入における最大のメリットは、コンテンツの更新が圧倒的に容易になることです。Web初心者でも更新できるのがCMSの良さなので、定期的な情報発信にも適しています。

更新以外にも権限設定できるので、複数人で運用する際の制限もかけられるのがCMSの特徴です。部署ごとにWEBサイトの更新をするケースなど、大企業ほどWebの運用にかかわる人も増えてくるので、CMSが重宝されるでしょう。

また、場合によってはセキュリティまで管理をしてくれるクラウド型のCMSもあります。近年心配されているサイバー攻撃への対策として、セキュリティに強いCMSを選ぶことは一つの手です。

そしてコスト的にも、ページの複製や修正が自分たちで行えるため、更新のたびに制作会社に修正依頼するよりも費用を抑えることができます。セキュリティの管理も、場合によってはコストを抑えることができます。

導入のデメリット

逆にデメリットというと、機能を覚える必要があるのと、機能の制約の中での更新が前提になることもあります。もちろん、自由度の高いCMSも存在しますが、すべてが自由自在にはいきません。

テクニカルな技術をお持ちの方には、少し物足りない部分があるかもしれません。実際CMSを導入したものの、更新はソースコードで行っているWeb担当者様もいらっしゃるようです。そういった方からすると、CMSの制約が窮屈に感じるかもしれません。

また、CMSの種類によってはセキュリティの脆弱性が心配されるものもあります。特にWordPressなどのオープンソースのCMSは、セキュリティに関して不安視される声が聞かれます。導入の際は、CMSの機能だけではなくセキュリティの面も併せて検討すると、安心して運用できるでしょう。

CMSの種類と特徴

CMS Open Original

続いて、CMSの種類を見ていきましょう。CMSは大きく「オープンソース系」「独自開発系」の2つに分けられます。このうち「独自開発系」のツールは、さらに「クラウド型」「オンプレミス型」に分けることができます。

オープンソース系CMSツールの特徴

Open

オープンソースとは、ソースコードをオープン化し、誰でも自由に利用・改善・再配布できるようにしたソフトウェアのことであり、利用者数も非常に多いです。その分、組み込みのノウハウやテンプレート、カスタマイズに関する情報、プラグインなどが世の中に出回っており、ホームページ制作の知識がある方であれば、自由度が高いツールなのが大きなメリットです。WordPressが代表的なオープンソース系CMSツールで、無償で利用できるケースがほとんどです。


ただし、オープンソースCMSは第三者がその安全性を保証しているわけではないため、脆弱性をつかれ、不正アクセスやサイバー攻撃の対象になりやすいというリスクもあります。ただでさえ利用者が多いWordPressは昨今、セキュリティ関連の話題に上がることが増えてきました。(関連記事:WordPressの脆弱性とWebサイトのセキュリティ対策について

そのため、脆弱性の修正を含む拡張機能を定期的にアップデートするなど、セキュリティ対策を運用者自身が行っていく必要がありますし、保守・管理の手間がかかることが前提となっていきます。

独自開発系CMSツールの特徴

originalCMS

一方で、WEB制作会社などのベンダーが独自開発したCMSツールは、有料で提供されているものがほとんどですが、開発会社がセキュリティの対策やサポートを保証しているため、安心して使えるのが特徴です。

独自開発系のCMSは、「クラウド型」「オンプレミス型」に分けられます。クラウド型のCMSは、クラウド事業者がCMSサーバを管理し、導入会社はインターネットを介してコンテンツにアクセスするのに対し、オンプレミス型のCMSは、導入する会社がCMSサーバを用意し、自社内でサーバを管理します。

独自開発系CMSを用途で分類すると、一般的な「法人向けCMSパッケージ」と、大量のページや承認フローなど大手企業のホームページ運用に適した「大規模向けCMSパッケージ」に分けられます。

「法人向けCMSパッケージ」は、一般企業での利用を想定したシンプルな機能や、直感的な操作、取り組みやすい費用体系、充実したサポートが特徴です。一方、「大規模向けCMSパッケージ」は、機能が豊富で、高度なカスタマイズが可能なツールのため、ライセンス費や制作費、管理費などが割高になります。

以上のように、CMSといってもさまざまな種類があり、それぞれメリットデメリットがあります。自社に合ったCMSはどれなのか、改めて整理して検討しましょう。参考までに、外部機関が調査した上場企業のCMSの導入数と種類について一部抜粋します。シェアとして圧倒的なのはオープンソースである「WordPress」です。

DataSign Report 上場企業 CMS調査(2018年11月30日)

横スクロールでご覧いただけます。

  サービス名 URL 種類 検出数
1位 Wordpress https://wordpress.com/ オープンソース 2,721
2位 Movable Type https://www.sixapart.jp/movabletype/ 独自開発 112
3位 ShareWith http://www.share-with.info/jp/ 独自開発 82
4位 Blue Monkey https://bluemonkey.jp/ 独自開発 46
5位 Drupal https://www.drupal.org/ オープンソース 45
6位 NOREN https://noren.ashisuto.co.jp/ 独自開発 44
7位 Sitecore https://www.sitecore.com/ja-jp 独自開発 43
8位 SITE PUBLIS https://www.sitepublis.net/ 独自開発 36
9位 TYPO3 https://typo3.org/ オープンソース 35
10位 concrete5 https://concrete5-japan.org/ オープンソース 29
11位 Site Miraiz https://www.sitemiraiz.jp/ 独自開発 28
12位 BiND https://bindup.jp/ 独自開発 23
12位 MODX https://modx.com/ オープンソース 23
14位 DotNetNuke https://www.dnnsoftware.com/ オープンソース 22
14位 Joomla https://joomla.jp/ オープンソース 22
14位 RCMS https://www.r-cms.jp/ 独自開発 22
15位 infoCMS https://www.infocms.jp/ 独自開発 20

データ引用元:DataSign Report 上場企業 CMS調査(2018年11月30日)より、当社にてCMSの検出数で順位整理して、参考情報を付与したものです。

CMSの主なサービス14選

現在、Web業界で活用されている代表的なCMSツールとその特徴を具体的に見ていきましょう。


今回ご紹介するCMSの種類一覧


【無料のCMS】

・baser(ベーサー)

・Drupal(ドルーパル)

・umbraco(アンブラコ)

・WordPress(ワードプレス)

・WIX(ウィックス)

・Jimdo(ジンドゥー)

【有料のCMS】

・Movable Type(ムーバブルタイプ)

・ALAYA(アラヤ)

・Blue Monkey(ブルーモンキー)

・HeartCore(ハートコア)

・NOREN(ノレン)

・PowerCMS(パワーCMS)

・RCMS

・SiTEMANAGE(サイトマネージ)

【無料のCMS】

baser(ベーサー)

数少ない国産オープンソースCMSのひとつ。日本法人が活用することを想定して、機能が絞りこまれています。テーマやプラグインをダウンロードして、簡単にカスタマイズができるのも特徴です。

Drupal(ドルーパル) 

世界中で利用され、高く評価されているCMSで、多言語対応や高度なカスタマイズ機能など、拡張性の高さが魅力です。基本部分(コアモジュール)を変更せずに、それを拡張することにより機能を増やしていくイメージで運用が可能です。

umbraco(アンブラコ)

デンマークで開発されたオープンソースCMS。日本では知名度が低いものの、デザインの自由度が高く、ヨーロッパを中心に人気です。プログラムに興味がある人であれば、標準的な技術で簡単に機能を拡張できます。Bootstrap 等のフレームワークなどを使えば、構築にもそれほど困らないでしょう。

WordPress(ワードプレス) 

世界でも、日本国内でも圧倒的なシェア率を誇るオープンソースCMSです。テンプレートが豊富で、特にブログ形式でホームページの構築が簡単にできるのが特徴。利用者が多い分、セキュリティ対策だけは注意する必要があります。

WIX(ウィックス)

Web デザインの経験はないけど、デザインや機能にはこだわりたい方向けのCMSです。ドラッグ&ドロップで思いのままに編集が可能です。

Jimdo(ジンドゥー)

AI を使った最先端のウィザードで、たった3分でホームページを作成できるCMSです。運用に役立つアドバイス機能もついており、誰でもスムーズにホームページを制作できます。

【有料のCMS】

Movable Type(ムーバブルタイプ):シックス・アパート株式会社

国産CMS大手ベンダーで、パートナー企業も多いためサポートが安心なのが特徴。オンプレミス型からクラウド型まで、プランの選択肢が豊富です。Movable Typeの編集画面はどこに何を入れるべきなのかがひと目でわかるよう設計・デザインされており、CMSの習熟度にかかわらず、編集を行う人にあわせ作業ができるように配慮されています。

ALAYA(アラヤ):彼方株式会社

高いセキュリティ対策と品質チェック機能、迅速なサポートが特徴です。デザイン・レイアウト上の制限が無いため、「リニューアルせずにCMSを導入したい」「リニューアルを控えているが、まずはCMS導入を優先したい」という企業にも適しています。

Blue Monkey(ブルーモンキー):Mtame株式会社

「エムタメ!」を運営するMtame株式会社が提供するCMS。中小企業の利用を前提に、必要な機能に絞ったシンプルな管理画面、わかりやすいテンプレートが特徴で、誰でも早く、簡単にホームページを作ることができます。開発会社が定期的なバージョンアップを行うなど、セキュリティ対策も安心。また、同社が提供するマーケティングオートメーションツール「BowNow」と連動し、ホームページを訪れた見込み顧客の分析や顧客情報の管理、さらには新規顧客の開拓につなげることもできます。

■関連リンク:
国産CMSで今一番勢いのある「Blue Monkey」を試してみた(LIGブログ)

■パートナー募集:
現在BlueMonkeyは代理店を募集しています!
No4CMS

HeartCore(ハートコア):ハートコア株式会社

ユーザーの属性や行動を学習し、自動でコンテンツを最適化するAI搭載のCMSです。デジタルマーケティング機能も併せ持っています。一般的なホームページ管理機能から、コマース、ソーシャル連携、マーケティング、マルチデバイス対応など豊富な機能を備えており、利用ニーズに応じた取捨選択はもちろん、導入後の機能拡張にも柔軟に対応します。

NOREN(のれん):株式会社のれん

表示速度が早く、セキュリティに強い、大規模サイト向けCMSです。充実した基本機能の標準搭載を軸として、クライアントの支援にも積極的に力を入れています。NORENを熟知したパートナーが国内に100社以上あるのも特徴です。

PowerCMS:アルファサード株式会社  

管理画面のカスタマイズなど、従来のCMSの不満を解消する機能を搭載しており、高性能・高機能・高価格なハイエンド CMS です。機能強化だけでなく製品コンセプトそのものを見直し、ツールの機能にあわせた制作・運用ではなく、サイトに必要な機能にツールを合わることも可能です。

RCMS:株式会社ディバータ

250を超える標準機能を備え、将来の拡張性が高いことが特徴。ECサイトや多言語サイトへも対応できるCMSです。「世の中の9割のWebサイトはシステム化できる」をコンセプトに設計・構築されており、デザインとコンテンツを分離したサイト構築も可能です。

SiTEMANAGE:株式会社シフト

必要な機能やプラグインを選べ、最低限の機能でスタートし、段階的にシステムを充実させることが可能なCMSです。プログラムのアップデートやプラグインの追加なども随時行われ、カスタマイズ性にも優れています。

CMSの比較ポイント

CMSには多くの種類があるため、何を基準に選べばいいのかわからないと迷われている方も多いのではないでしょうか。ここで、CMSの導入を比較検討する際に目安となる基準を紹介します。

(1)サポートの充実度

オープンソース系のCMSは、Webマニュアルやインターネット上のフォーラムサイトなどを参照し、自学するスタイルが基本です。一方で独自開発系の有料CMSは、電話やメールなどの手厚いサポートがある場合が多く、とくに国産のCMSは日本語でサポートを受けられるのが大きなメリットです。

場合によっては訪問サポートなども対応しており、運用までを全面的にバックアップしてくれるCMSもあります。CMSの提供会社によってサポートの度合いも異なりますので、事前に確認して比較検討するようにしましょう。

(2)デザイン性の自由度

デザインの自由度もCMSによって異なります。オープンソース系、独自開発系にかかわらず、テンプレートやテーマ、パーツなどの種類が豊富で、誰でもきれいなホームページが制作できるCMSもあれば、技術力がないと調整が難しいものもあります。

また、多少の制約があり自由なデザインが反映できないCMSもあります。自社の目的や運用に合わせて比較し、適切なCMSを選択しましょう。

(3)セキュリティ対策

オープンソース系CMSは、Webサイトの運営者が自ら定期的なサーバーメンテナンスや、ソフトウェアのバージョンアップなどのセキュリティ対策を行わなければなりません。有料CMSの場合は、ツールの提供会社がセキュリティ対策を行う場合が多く、法人でも安心して使えます。

近年はセキュリティへの関心が高まっており、Webサイトを制作する際には軽視できなくなっている項目の一つです。それぞれのCMSが、どのようなセキュリティ対策を行っているかを事前に確認をしておきましょう。

(4)将来的な機能の拡張性

長く使い続けるには、CMSの将来的な拡張性も重要です。これはCMSの種類に関係なく、各社のサービスの特徴によって異なります。「シンプルでわかりやすい機能」に絞ったツールがよいのか、ECサイト制作や他のシステムとの連携など、将来の「拡張性が高い」ツールがよいのか、自社のサイト制作の目的に応じて検討する必要があります。

一般的に高機能なCMSほど価格が高くなる傾向があるので、予算も含めて比較したうえで適切なものを選びましょう。

(5)月額保守及びライセンス費用

オープンソース系CMSは無償で利用できることが魅力です。一方、独自開発系CMSのなかでも月額数万円程度のプランを用意しているツールも多くあります。ただし、大規模なCMSは機能がハイスペックな分、ライセンス費用が月額数万円~数十万円と高額になることもあります。

価格は機能やセキュリティに依存する部分が大きく影響し、高機能・高セキュリティなCMSほど提供会社側の管理費も上がるため、値段が高くなります。どこまでの機能が必要なのかを考えたうえで、適切なCMSとプランを選ぶようにしましょう。

(6)導入実績で目的に近いものを選定

自社のWebサイトに近しい導入実績があるCMSを選ぶのも一手です。近しい事例があるということは、自社で導入してもスムーズに運用できることが期待できますので、判断に迷ったときは導入実績を見てCMSを比較すると良いでしょう。一例として、上場企業のCMSの導入実績をまとめておきます。大規模サイトにおいては、下記のような実績数値も参考になります。

DataSign Report 上場企業 CMS調査(2018年11月30日)

横スクロールでご覧いただけます。

  サービス名 URL 種類 検出数
1位 Wordpress https://wordpress.com/ オープンソース 2,721
2位 Movable Type https://www.sixapart.jp/movabletype/ 独自開発 112
3位 ShareWith http://www.share-with.info/jp/ 独自開発 82
4位 Blue Monkey https://bluemonkey.jp/ 独自開発 46
5位 Drupal https://www.drupal.org/ オープンソース 45
6位 NOREN https://noren.ashisuto.co.jp/ 独自開発 44
7位 Sitecore https://www.sitecore.com/ja-jp 独自開発 43
8位 SITE PUBLIS https://www.sitepublis.net/ 独自開発 36
9位 TYPO3 https://typo3.org/ オープンソース 35
10位 concrete5 https://concrete5-japan.org/ オープンソース 29
11位 Site Miraiz https://www.sitemiraiz.jp/ 独自開発 28
12位 BiND https://bindup.jp/ 独自開発 23
12位 MODX https://modx.com/ オープンソース 23
14位 DotNetNuke https://www.dnnsoftware.com/ オープンソース 22
14位 Joomla https://joomla.jp/ オープンソース 22
14位 RCMS https://www.r-cms.jp/ 独自開発 22
15位 infoCMS https://www.infocms.jp/ 独自開発 20

データ引用元:DataSign Report 上場企業 CMS調査(2018年11月30日)より、当社にてCMSの検出数で順位整理して、参考情報を付与したものです。

CMS導入時に陥りやすい失敗例

最後に、CMSを導入した際のよくある失敗例をご紹介いたします。

更新部分が限定的

CMSでWebサイトを構築しても、ユーザー側が自由に更新できない部分が多いと、更新のたびに業者に依頼することになりコストが発生してしまいます。せっかくCMSを導入したメリットも半減しますので、事前にどの領域が更新できるのかを確認しておきましょう。

また、制作会社もクライアントに事前説明をしておくことで、認識違いによるトラブルを防ぐことができます。

プラグインやカスタマイズが複雑

すべての箇所を更新できても、プラグインやカスタマイズなどリテラシーの高い人しか扱えない箇所があると、結局は誰もが使いこなせないだれもがCMSになります。

Webに詳しくない方でも使える標準機能はどこまでかを、事前に確認するようにしましょう。

サポートが付いていない

頼りになるサポート体制のないCMSだと、トラブルの際に心配です。

また、マニュアルの充実度も重要です。CMSによってはオンラインで動画マニュアルを用意している場合もありますので、事前に確認してみると良いでしょう。

参考▼

 

更新の難易度が高い

簡単に更新ができると聞いていたのに、そもそもの操作の難易度が高く更新が滞ってしまうCMSもしばしばあります。営業のトークだけで判断するのではなく、実際に触ってみて操作性を確かめてから、導入するCMSを検討しましょう。

制作会社も、本当に更新しやすいCMSで提案をすればそれだけで差別化にも繋がりますし、その後のCS活動にも効果的です。

Wordpress CMS

まとめ

CMSの種類から比較ポイントまでをまとめてきました。それぞれメリットデメリットもありますし、そもそも導入すべきかどうかの検討も必要でしょう。そのためにはWebサイトの目的や、運営体制を踏まえて判断しなければなりません。

また、最終的には使いやすさや信頼できるパートナーを見つけることも重要です。ツールが優れていても使いこなせなければ宝の持ち腐れです。まずはCMSを使いこなすために最低限の機能に絞って、運用に慣れたら機能を追加していくほうが、結果的に良いこともあります。

CMSを選ぶ際には、機能や価格はもちろん、将来性やサポート体制など総合的に勘案したうえで、自社に適したツールを選ぶようにしましょう。

 

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