規模の大小にかかわらず、多くの会社で自社のホームページを持つことが当たりまえになってきています。しかし、日本の企業の99%を占める中小企業には、社内にIT専門の部署や人材を持っていないところも多くあります。自社内でホームページの運用や管理を行えず、「ホームページ制作会社に任せっぱなし」になっているケースも多いのではないでしょうか。
そのような状況下で、管理を委託していたホームページ制作会社とうまくいかなくなったとき、考えるのはホームページ制作会社の変更です。今回の記事では、ホームページ制作会社の変更を検討する際に注意したいポイントをまとめました。後々のトラブルを防ぐためにも、これからホームページ制作会社と契約しようという方も、ぜひチェックしてみてください。
ホームページ制作会社の変更を検討している企業がよく抱える課題とは、具体的にどのような内容でしょうか。
実は、これらのトラブルの原因の多くは、契約時に交わした見積書や業務確認書、契約書などの内容の確認不足にあります。特に費用と対応内容については、注意したいポイント。新しいホームページ制作会社と契約を結ぶ際には、制作費に含まれている項目をよく確認するようにしてください。下記は、特に気をつけたい費用項目です。
基本的には、すべての費用項目に含まれる具体的な作業内容を確認し、見積書に明記してもらうことが大切です。何に注意していいかわからないときには、逆説的に「別途費用」となる項目を、詳しく聞き出すという方法もあります。追加費用が必要な作業を把握できれば、契約内容の見直しもしやすくなるでしょう。
ホームページの制作から公開までをすべてホームページ制作会社に委託していた場合、ドメインやサーバの契約まで制作会社が請け負っており、自社のドメイン情報やサーバ情報を誰も知らない…という状況もあり得ます。
新しいホームページ制作会社に制作を依頼し、いざ公開となったとき「ドメイン、サーバの情報をください」と言われて、初めて誰も管理していないことに気づいたといったトラブルはよく聞きます。
ホームページ制作会社を変更するときに、社内のWeb担当者はドメイン、サーバのアカウント情報を管理しておかなければなりません。もし、解約を検討する時点でわからない場合は、解約までに以前の委託先にしっかり確認するようにしておきましょう。
【管理が必要なドメイン、サーバ情報】
さらに気をつけたいのが、前項にもあげた「サーバ移行費」や解約時の「違約金」です。ドメインやサーバ移行に関する作業は、ホームページ制作に慣れていない人には作業工程が想像しにくいため、見積費が適正かどうかわかりません。「サーバ移行費」が思いのほか高い場合には、作業の内訳をきちんと確認しましょう。
また、旧サーバの解約方法にも注意が必要です。一般的にサーバの契約は6カ月~1年単位で結ぶことが多いため、途中解約する場合には、「何カ月前までに申請しなければいけないか」「違約金がかかるか」などを調べておく必要があります。
最後に、忘れてはいけないのがホームページの所有権やコンテンツの著作権、データの再利用など、権利に関連する問題です。これまで運用していたホームページのデータを新しいホームページ制作会社に渡そうとしたときに、ホームページの所有権が制作会社になっている、ホームページのデータをもらえない(もしくは別途費用がかかる)、コンテンツの再利用ができない…などの問題が生じる場合があります。以下のようなポイントを事前にクリアにしておき、契約書にも明記しておくことが大切です。
※別途費用の場合は金額を確認する
このように、ホームページ制作会社を変更するときには、いくつかの注意点がありますが、あらかじめ気をつけなければいけないポイントを知っていれば、難しいものではありません。
また、わからないことを訪ねたときに、丁寧に教えてくれるかどうかも、その制作会社とつき合い続けられるかの判断材料にもなるでしょう。問題が生じてからあわてないように、サイト立ち上げ時や、日々の運用のなかで、情報の整理を心がけておくことが大切ですね。