企業ブログは何を発信すべきか?中小企業のオウンドメディア活用術

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近年、多くの企業がビジネスブログや「オウンドメディア」と呼ばれる自社メディアの運営に取り組むようになりました。時代の流れにそって「他社もやっているから」と、はじめてみたものの、記事のネタに困っていたり、更新が滞っていたり…というような課題はありませんか?

今回の記事は、中小企業がオウンドメディアを運用する際の、コンテンツのヒントをたくさん盛り込んでお届けします。

オウンドメディアの目的と効果

オウンドメディアは、英語で書くと「Owned Media」。文字通り「自社のメディア」という意味で、企業が情報発信するホームページやブログ、SNSアカウントなどを指します。日本では、企業が運営するブログ形式のメディアというイメージが強く、2010年代以降、多くのブランドや企業が取り組み始めました。

オウンドメディアが注目され始めた背景には、大きく分けて2つの要因があります。ひとつは、検索エンジン対策です。2011年以降、Googleの検索アルゴリズムにいわゆる「パンダアップデート」といわれる変更があり、検索結果の表示順位に「コンテンツの質」が重視されるようになりました。これにより、オリジナリティのある質の高い記事を蓄積することが、SEO対策になるようなったことが、企業が自社メディアをもつことを加速させました。

2つめは、広告手法や顧客とのコミュニケーション手法の変化です。企業のかつての広告手法といえば、テレビCMや新聞広告など、マスメディアで広く認知を得ることが主流でした。

しかし、現代では、SNSや動画サイトなど消費者が時間を費やすメディアは多岐にわたります。またWebメディアのなかでも、かつては主流であったバナー広告やリスティング広告は、「いかにも広告」であることがわかりやすく、クリックされにくくなってきています。

消費者が購入に至るまでの行動が変わるなか、ユーザーが本当に「困っていること」「知りたいこと」を検索したときに、それに答えるコンテンツを用意することで、潜在的なニーズを抱えたユーザーと長い時間をかけて信頼関係を築いていくことが必要とされるようになってきたのです。

さらにいえば、消費者は自分のニーズに気づいていなかったり、自身が求めているものを認識していないこともあります。そういった場合には、消費者が検索などのアクションを取る前に、こちらから提案できる接点を持っておく必要があります。

情報発信系のオウンドメディアであれば、定期的な更新により読者をつけ、日常的な接点を産むことが可能になります。そこで潜在ニーズから顕在ニーズに引き上げることで、消費者の心を動かすことができます。

このように、オウンドメディアの運用にはメリットもたくさんありますが、当然デメリットもあります。改めて、メリットとデメリットを整理していきます。。

オウンドメディアのメリット

オウンドメディアのデメリット

よくあるコンテンツ例

上記のメリット・デメリットでもわかるように、オウンドメディアで成果を上げるためには、継続的に運用していくことがもっとも大切です。しかし実際には、「何を書いていいのかわからない」「記事のネタが思いつかない」というような悩みも多いのではないでしょうか。

このような場合、自社内では当たりまえの知識も、ユーザーにとっては「そこが知りたい」情報であることが多くあります。自社の強みやノウハウの棚卸しをすれば、社内にも意外とたくさんのコンテンツが眠っていることに気づくはずです。では、具体的なコンテンツ例を見てみましょう。

(1)自社の商品・サービスを深掘りしたコンテンツ

(2)お客さまや取引先を活用したコンテンツ

(3)同業界の他社の情報を活用したコンテンツ

(4)業界知識・ノウハウがわかるコンテンツ

以上、コンテンツの例を紹介してきましたが、オウンドメディアの更新コンテンツとして特におすすめなのがすでに社内眠っているコンテンツの流用です。

例えば新卒向けの研修資料があれば、内容のレベルも初心者向けでメディア読者と近い可能性があります。またセミナー資料なども、すでに構成が整理されているので、ある程度調整すれば良質なコンテンツとして成立します。

社内に眠っているコンテンツを流用するだけでも、有益な情報発信は可能です。工数もそれほどかからず手軽に取り組むことができるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

社内に眠っているコンテンツも有益な情報に

オウンドメディアの更新コンテンツとして特におすすめなのが、社内に眠っているコンテンツの流用です。

例えば新卒向けの研修資料があれば、内容のレベルも初心者向けでメディア読者と近い可能性があります。またセミナー資料なども、すでに構成が整理されているので、ある程度調整すれば良質なコンテンツとして成立します。

社内に眠っているコンテンツを流用するだけでも、有益な情報発信は可能です。工数もそれほどかからず手軽に取り組むことができるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

新人研修用の資料

新人研修用の資料は、Webサイトのコンテンツにとても有効です。難易度は初学者が顧客に説明できる内容を目指しているはずなので、Webサイトの閲覧者が見て理解するにはちょうど良いコンテンツです。もちろん資料だけではなく補足や説明も必要になるので、新入社員の研修の一環でレポートとして書いてもらうのも良いかもしれません。理解も深まり一石二鳥でしょう。

過去のセミナー資料

セミナー資料は既にシナリオができあがっているうえに、図や表も多く挿入されているため、テキストを書き起こしつつ(スライドのコピペでも可)、編集をすることで読みやすく良質なコンテンツとなります。

例:アイメックス株式会社様 セミナー資料
https://www.aimex-apema.co.jp/data/data_seminar.html

専門領域の技術資料

技術的な資料が社内に存在するなら、どんどん発信していきましょう。その際の注意点として、自社にしかないノウハウや独自技術の情報を出すのではなく、「一般的な用語や原理等のコンテンツを自社の言葉で公開する」ことが重要です。

競合にノウハウが漏れるのを恐れる企業様もいらっしゃいますが、調べれば見つかる情報であればどんどん自社サイトを通じて発信するべきです。閲覧者からしても欲しい情報がなければ意思決定もできません。社内に眠っている専門情報を、ユーザーが読みやすい形に編集し、整理して発信していきましょう。

週1回更新できる仕組みを作る

オウンドメディアに掲載すべき記事は、自社の知識やノウハウを掘り下げていくことで、さまざまなテーマを見つけることができます。しかし、継続的に記事を制作することは、とても労力のかかるもの。オウンドメディアの効果を感じられるまで続けられずに放置されているサイトも多いようです。

オウンドメディアの運用計画を立てる際は、少なくとも1週間に1度は更新できるようにしましょう。そのためには、計画的に記事を作成し、ストックしておくことも大切です。

とはいえ、オウンドメディアの担当者だけが、ひたすら記事を執筆するのではコンテンツの量も、質も不足する場合があります。コンテンツを量産するための方法として、現在では、社外のライターなどに記事を外注することも一般的です。ただし、汎用的な内容であれば、比較的安く外注することができますが、専門的な内容の記事を知識のあるライターに頼めばコストがかさむことも踏まえておかなければなりません。

そのため、中小企業が自社のノウハウを掘り下げてオリジナリティのある記事を作るには、やはり社内でコンテンツを制作できる体制を整えることも重要です。

メディアの編集担当者だけでなく、社内の人材をフル活用し、部署の垣根を越えて記事を書いてもらうこともよいでしょう。営業や開発、カスタマーサポートの担当者などが、それぞれのスキルや知識を活かして原稿を書けば、専門性のあるコンテンツが蓄積されていくはずです。その際、編集担当者は、記事のテーマや大まかな構成を決めてから執筆者に依頼すると、慣れていない人でも書きやすく、スムーズに進めることができるでしょう。

また、オウンドメディアの担当者は、定期的に社内の各部署から意見を聞き、業界の動向や、お客さまの興味がどこにあるかなど、最新の情報を得ることも大切です。労力はかかりますが、このように丁寧に情報収集を重ね、根気よくコンテンツを蓄積していくことで、オウンドメディアの価値が高まっていくのです。

中小企業ブログを継続させるために心がけたいこと

「オウンドメディアを始めたけれど、なかなか続かない」と悩んでいる企業には、ある共通点があります。その一つが、ブログの目的やターゲットが不明瞭であること。

「どんなテーマの内容を」「誰に届けるのか」という基本情報を最初に決めなければ、「何のために書くのか」と目的を見失い、途中で辞めたり、誰にも読まれない記事を配信し続けたりすることになってしまいます。

オウンドメディアを始める際には、目的とターゲットを明確にしてからスタートすることが重要です。

目的は具体的に定める

目的は、できるだけ具体的に定めることが大切です。「ブログで集客を増やす」という漠然とした目的では、具体的にどんな記事を書けばよいかわからず、ネタもすぐに行き詰まり続かないというケースがよくみられます。

例えば、「社員数が50名くらいまでの会社経営者に読んでほしい」「アプローチしやすくするために、メルマガの会員登録をさせたい」「商品サイトへスムーズにリンクできるよう設計したい」「そのための集客手段としてブログを書く」など、具体的な目的を掲げることで、記事のテーマや内容がイメージしやすくなるでしょう。

ターゲットも明確に

ターゲットもできるだけ明確にしておくことも大切です。「会社経営者がターゲット」といっても、年齢層も性別も異なれば書く内容も異なってきます。

そこで、「ペルソナ」といわれる理想の顧客像を描くことで、その人の心に響くメッセージをつくりやすくなります。

ペルソナの一例として、

・山田一郎 50歳男性
・社員数50名の半導体メーカーの経営者
・取引先は大手メーカーが多いものの、中小企業の取引先を増やしたいと思っている
・人材不足に悩んでいる
・趣味はゴルフ(接待)だが、スコアは平均以下

…と、想像上の人物ではありますが、具体的な人物像を設定することで、どんな内容の記事ならメッセージが伝わりやすいか想像しやすくなるでしょう。

まとめ

オウンドメディアのコンテンツ内容を考えるとき、もっとも大切な考え方は「ユーザーの役に立つコンテンツを提供する」ことです。企業やブランドのファンを増やし、どうすれば継続的な「ファン」になってもらえるかを考えながら運用することで、中小企業もオウンドメディアは、もっともっと有効活用できるようになるでしょう。

また、オウンドメディアの記事はSNSやメルマガとして発信することで、より相乗効果を高めることが可能です。せっかく更新した記事を、あらゆるチャネルに発信することで、効果を最大化させることができます。

ぜひ、メディア運用に合わせて試してみてはいかがでしょうか。


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