リクルートワークス研究所の調べによると、2019年3月卒業予定の大卒求人倍率は1.88倍。しかし、300人未満の企業(中小企業)は9.91倍と、中小企業にとっての新卒採用はとくに難しい状況であることがわかります。
人材不足が深刻化し、求人市場が転機を迎えようとしている現在。優秀な人材を確保するために、採用活動の工夫や戦略が一層求められています。そこで今回は、採用サイトなど、人材募集用のWebページに適したコンテンツについてまとめました。
人材募集用のWebページは、以前はコーポレートサイトのコンテンツのひとつとしてとらえられてきましたが、最近では、コーポレートサイトとは別に、独自の採用サイトを展開する企業が増えてきました。採用サイトを独立させ、コンテンツを充実させることには、さまざまなメリットがあります。
このように、自社の採用Webページを設けることは、新卒採用・中途採用に関わらず、よい影響があります。新卒・中途とも、売り手市場の求人倍率が続くなか、採用サイトをきちんと設計することは、他社との差別化を図るためにも、欠かせない施策となっています。
では、人材募集のホームページにはどのようなコンテンツが適しているのでしょうか。
コンテンツを企画する前に、まずクリアにしておきたいのは、自社が「どのような人を採用したいか」です。採りたい人物は「どんなメッセージが響くか」「どのようなコンテンツに興味があるか」を想像し、コンテンツを設計していきましょう。以下は、代表的な採用コンテンツの例です。
商品・サービスの市場占有率、成長率など事業概要を数字で紹介する場合と、社員の男女比や年齢比率など、会社の雰囲気を数字で表現する場合があります。近年はインフォグラフィックスを活用し、ひと目でわかる表現に工夫を凝らしているサイトもあります。
とくに学生にとって、社会人の生活は未知の世界です。社員の一日を紹介することで、実際に働いてからの具体的なイメージができるようになります。
新卒採用者には、もっとも身近な先輩となる直近の新入社員の声。応募者への最後のひと押しとなり、内定辞退の回避にもつながります。
インターンシップ体験から入社を決めた先輩社員の前向きな声を紹介し、インターンシップ応募増加を狙います。
入社すると「どのようなスキルが身につけられるのか」「どのようなキャリアプランが考えられるか」など、求職者に将来像をイメージさせる項目として有効です。
会社の個性やカラーを伝えるコンテンツ。クラブやサークル活動の紹介など、事業以外の活動を紹介する場合もあります。
社員同士の生の声は、会社の雰囲気をリアルに伝えます。求職者にとって、仕事のやりがいや大変さなどが想像しやすくなります。
採用サイトのトップページに、募集企業の方針がひと目でわかるキャッチコピーを掲載。第一印象で共感を得られた読者は、他のページへのアクセス率も高まります。
会社の方針や求職者への期待をダイレクトに表すコンテンツです。代表者コメントは、コーポレートサイトとは別に、採用にしぼったメッセージを用意できるとベストです。
一般的な福利厚生制度の紹介のほか、他社と差別化できる社員のメリットを紹介する場合もあります(朝食サービス、近居手当て、バースデー休暇など)
働く環境は応募者にとって重要です。最近では、プロカメラマンがオフィス風景を撮影することも一般的。動画を活用する場合もあります。
女性社員のロールモデル、育児休業や時短制度の紹介、パパ・ママ社員率など、女性の求職者から質問の多い項目に答えます。
このように、求職者に自社の採用にかける想いを伝える方法は、工夫しだいでさまざまな表現が考えられます。
コンテンツの内容だけでなく、表現手段も多様です。「動画」「ブログ」「SNS」など、伝え方を変えれば、さらにコンテンツの幅は広がります。
2018年9月、日本経済団体連合会(日本経団連)が発表した、「2021年春以降に入社する学生向けの採用ルールを廃止するべきだ」との見解が、各方面で議論を呼んでします。
この方針変更の背景には、2020年7月の東京オリンピックを控え、夏季の就職活動が難しくなる影響や、学生にボランティアとして活躍してほしいとの狙いがあると言われています。またそれだけでなく、例年、経団連が新卒採用スケジュールを采配してきたことへの問題も提起され、「横並びの一括採用」という日本の新卒採用のあり方自体に疑問が投げかけられているのです。
日本の採用習慣が大きく変わろうとしている今。採用サイトの見直しは優先すべき課題です。
ホームページ制作会社のなかには、特に採用サイトを得意としている会社も多くあります。制作実績などを参考に、自社の目的に合った制作会社とタッグを組み、効果的な採用ホームページを制作しましょう。
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