最近よく見るサービスや、気になるプロジェクト、話題になったリブランディングから、クリエイティブのヒントやテクニックを紹介する「デジタルクリエイティブの発想術」。今回は、ソニー・ミュージックエンタテインメントが展開するオーディションプロジェクト「ONE in a Billion(ワン・イン・ア・ビリオン)」より、クライアントとして、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの日高亮さん、制作として、株式会社ビットツーバイトの谷口草平さん、辰巳良太さんの3名に、お話を伺いました。
〒102-8353 東京都千代田区六番町4番地5
株主:ソニー株式会社
事業内容:マーケティング、タイアップ、アーティスト・タレント・クリエイターの発掘・育成、海外事業推進、デジタルコンテンツ事業、ライブエンタテインメント事業、音楽ストリーミング事業、スポーツエンタテインメント事業等、新たなエンタテインメントビジネスの創出
〒160-0012東京都新宿区南元町10-8
代表取締役:井上 飛鳥
ウェブサイトの企画、設計、開発、運営及び販売 コンピュータシステムの企画、開発、販売及び保守に関する業務
(左)株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント日高 亮さん、(中)株式会社ビットツーバイト辰巳 良太さん、(右)株式会社ビットツーバイト谷口 草平さん
−『ONE in a Billion(ワン・イン・ア・ビリオン)について教えてください
(日高)ソニー・ミュージックエンタテインメントが、次世代の才能を発掘するために発足したオーディションブランドです。審査委員長に、シンガーソングライターの清水翔太さんを迎え、ダンス&ヴォーカルグループの常識を超えた新時代のエンターテインメントグループの結成を目指しています。現在、オーディションへのエントリー受付は終了し、残っている候補メンバーは審査をひかえています。ぜひ、サイトをチェックして頂ければと思います。
−なぜ、株式会社ビットツーバイトへ依頼したのですか?
(日高)株式会社ビットツーバイト(以下、ビットツーバイト)は、共通の知り合いに推薦されました。オーディションのターゲットとなるZ世代(1990年代後半~2000年生まれ)へ向けたデザインが得意な点、オーディションの進行にあわせて、スピード感をもって柔軟に進行できる点が、依頼した理由です。
−Z世代向けのような先端のデザインや、オーディションにあわせたスピード感など、実力のある会社でないと難しいですよね。
(日高)そうだと思います。ビットツーバイトさんは、オーディションのコンセプトや世界観をすばやく理解し、デザイン提案を3パターンすぐに準備をしてくれました。どの提案もオーディションの意図をしっかりととらえた、大変満足のいく内容でした。タイトなスケジュールの中、しっかりと期限を守り、期待以上のクオリティをアウトプットできるのは、プロの仕事だなと感動しました。
解決方法【アイディア】−クライアントである日高さんとのやり取りは、いかがでしたか?
(谷口)日高さんが主体となって、ターゲットであるZ世代についての考察、オーディションの方向性や目的など、ブレストをしてくださいました。理解を深めたうえで制作に取り掛かれたので、スムーズに進みましたし、明確な要望をもとに、集中して作業に取り組めました。
ロゴやティザーサイトの資料を持参いただきました。
−サイトデザインは、どのような点に注力しましたか?
◉スマホで参加するオーディション。スマホでの操作性や可読性に注力する
(谷口)スマホでの操作性や可読性に配慮しました。オーディションのターゲットであるZ世代は、情報収集から課題解決まで、スマホで済ませられる世代です。スマホでオーディションに参加するが重要なテーマでした。そのため、スマホの操作がしやすいようにボタンに余白をもたせたり、情報量を最低限にしぼったり、スマホの小さい画面でも映えるようにわかりやすさを追求しました。PC版のデザインは、スマホ版が完成した後に作成しています。
◉音楽、ファッション、カルチャーに興味のある多様なZ世代の嗜好を、デザインで表現する
(辰巳)ファーストビューで興味・関心を持つように工夫しました。Z世代の特徴である、人とのつながりや熱量の伝わるようなキービジュアルやキャッチコピーを全面にだしています。また、オーディションの熱量が、ストレートに伝わるようにあえてシンブルにしました。オーディションのターゲットは、Z世代の中でも、音楽、ファッション、カルチャーに興味があり、感度が高い層です。多様な感性に響くように、カラフル、ネオ感、幾何学、マーブル模様、手書き感など、複数キーワードをひとつのデザインに集約して、アウトプットをしました。
作業工程【ワークフロー】−プロジェクトがどのように進行したのかを、教えてください。
(辰巳)以下が、大きな制作の流れになります。日高さんの進行やビジョンが明確だったので、わたしたちもスピード感をもって取り組めました。オーディションと並行した進行だったので、常に臨場感が伝わってきて、とても刺激的な仕事になりました。
プロとしての堅実性と、柔軟なクリエイティブ性を両方持たれている印象でした。
(谷口)ソニー・ミュージックエンタテインメントとして取り組む大型プロジェクトのご依頼をいただき、本当にうれしかったです。音楽に関わる仕事は、会社として積極的に取り組んでいるジャンルでした。今回のご依頼は、ビットツーバイトの得意とするデザインの世界観だと理解し、ぜひ、ご要望にお応えしたいと思いました。
イベントやプレスリリースと連動しているプロジェクトでは、柔軟に対応できる体制基盤と過去の経験が必要だと思います。
・過去に近い案件を経験しているか
・臨機応変に対応できる体制基盤があるのか
・クライアントの目的やビジョンを理解できているか
わたしたちは、クリエイティブのプロとして、責任をもってプロジェクトを全うできるのか、しっかり自分たちの条件を見極める必要があります。
大変お忙しい中、終始にこやかにご回答いただきました。ご協力ありがとうございました!
(日高)ビットツーバイトさんは、「ONE in a Billion」を一緒に盛り上げていく上での大切なチームの一員だと思っています。最初は、ティザーサイトの依頼でしたが、いまは、デジタル全般について、何かあると先に相談をしています。先日もサーバー移行について相談しました。仮に、ビットツーバイト内で体制をつくれない案件でも、外部パートナーと連携し、課題を解決してくれるので、いつも助けられています。わたしたちは、新しいオーディションの形を作ろうと模索しているので、オリエンで説明したこととは違う想定外のことも、もちろんたくさん発生しています。そんな時でも、いつでも課題を前向きに解決しようとしてくれます。ビットツーバイトさんは、クリエイティブが得意な上、システムやインフラも相談できるので、一緒に取り組めて、本当によかったです。
そしてなによりも、このプロジェクトにかけるわたしたちの熱量やビジョンを、とてもよく理解してくれているのがうれしいですね。現在、オーディションも絶賛進行中ですので、引き続き、ワンチームでがんばりたいと思います。
このインタビューを通じて、日高さん、谷口さん、辰巳さんそれぞれが、相当な熱量をもって取り組んでいるのが伝わってきました。現在、オーディションは、現在進行中ですが、インタビューの途中でも、次から次へとアイディアがでてきて、自然に話し合っていたのが印象的でした。オーディションのような流動的なプロジェクトは、問題や課題も多いですが、そんな時は、両者どちらともなく相談しあい、共に課題を乗り越えてきたそうです。クライアントとクリエイターがひとつのチームになった、理想的なかたちだと思いました。
「プロジェクトをよく理解してくれている」クライアントにとって満足のいく仕事を生み出すには、技術力ももちろんですが、いかにプロジェクトの理解者となれるかが、大変重要だと思いました。
ONE in a Billionについて
ソニー・ミュージックエンタテインメントが展開する、オーディション・プロジェクト。従来のダンス&ヴォーカルグループを超える、新時代エンターテイメントグループの結成を目指し、12歳(中学生以上)~22歳までの人を対象としたオーディションです。2021年2月現在、受付は終了しており、審査は継続中です。詳細はサイトでご確認ください。
設立 2012年2月7日
〒160-0012 東京都新宿区南元町10-8
代表取締役:井上 飛鳥
資本金:6,500,000円
事業内容:ウェブサイトの企画、設計、開発、運営及び販売、コンピュータシステムの企画、開発、販売及び保守に関する業務